事業を営むには、毎年会社の経営状況を示す決算書を作成なければなりません。
建設業も同様に作成することになりますが、建設業には建設業特有の勘定科目などがあるため、税理士に作成いただいた決算書を建設業用に置き換える必要があります。

 

今回は建設業の決算書についてお伝えします。

 

決算書は、1年間における企業の財政状態や経営成績を表すものであり、主に次の①~⑤の書類で構成されます。
建設業法上の財務諸表も以下と同様です。
① 貸借対照表 決算期末における企業の財務状態をまとめた報告書
② 損益計算書 1年間における企業の経営成績をまとめた報告書
③ 原価計算書 売上原価の内訳を示した報告書
なお、原価計算書は財務諸表中では「完成工事原価報告書」と言います。また、建設業以外の事業にかかる売上原価がある場合は、別途「兼業事業売上原価報告書」を作成します。
④ 株主資本等変動計算書 1年間における企業の純資産の変動状況をまとめた報告書
⑤ 個別注記表 貸借対照表や損益計算書に関わる注記事項を記した報告書
 なお、個別注記表は財務諸表中では単に「注記表」と称しています。
個別注記表は、必要な事項だけを記載することとなっており、例えば割引手形は決算書(貸借対照表)に記載されないため、注記表に記載する必要があります。

 

建設業法では、建設業法施行規則第4条の9および10において、財務諸表の様式を定めています。
① 法人の場合 様式第15号~17号の3
 貸借対照表(15号)
 損益計算書(16号)
 株主資本等変動計算書(17号の1)
 注記表(17号の2)
 小会社を除く株式会社は上記に加えて附属明細書(17号の3)が必要です。
② 個人の場合 様式第18号~19号
 貸借対照表(18号)
 損益計算書(19号)
③ 建設業以外の事業にかかる売上原価がある場合 様式第25号の9
 兼業事業売上原価報告書(25号の9)

 

決算書は、内部的には経営判断や経営方針の策定、経営管理等の資料として活用されます。
他方、外部的には株主、投資家、取引先、金融機関、税務署、関係行政機関など、外部関係先に対する報告と判断材料を提供する役割を持ちます。
したがって、正しく処理していない決算書は、決算書を見る人の判断を誤らせることになるのです。

 

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