こんにちは。行政書士の岩堀です。
40代の方にはまだ早いと思われる相続対策。
でも、決して早くないのです。
それをお伝えしたくてこのブログを始めました。
毎回少しずつ、いろいろな事例を交えて相続対策の選択肢をご紹介いたします。
18.遺留分減殺請求について知っておきましょう
あなたがこの世を去ったときに、残されたご家族が遺産をめぐって争わないように、事前対策として遺言書を書くことをお勧めしてきました。
遺言書を書くことは争いを避けるための最善の方法だと思います。
しかし、争いを100%避けられるものではないのです。
遺言書の効果には限界があります。
そのことを知っておいていただきたいと思います。
今回は遺留分減殺請求権のポイントを簡単にご説明いたします。
相続が開始したとき(あなたが亡くなったとき)、あなたの財産は法定相続分に則って残されたご家族に託されます。
この時点では、たとえば奥様には1/2、お子様がふたりいる場合には1/4ずつ(あなたの財産から奥様の法定相続分1/2を除いた残りの1/2をふたりのお子様で半分ずつ)という、割合で分けている状態です。
つまり、「誰に何を」ということが決められていない共有状態なのです。
これを残されたご家族に話し合いで分割させようとすると、争いが生じる恐れがあると言うことで、遺言書作成をお勧めしてきました。
遺言書による分割が、法定相続分に則ったものであれば問題ないのですが、奥様に全財産を託す遺言の場合、ふたりのお子様には財産が相続されません。
同様にふたりのお子様の相続分を長男に全て託してしまうと、次男に相続されなくなります。
このように法定相続分と大きく異なる分割を内容とする遺言を残すと、一定の割合で遺産を取り戻されてしまうことがあります。「最低限の取り分は分けてください」と言われてしまう恐れがあるのです。
これが遺留分減殺請求なのです。
この遺留分減殺請求する権利(遺留分減殺請求権)は、配偶者、子、親に存在します。
これらの人のことを遺留分権利者と言います。
兄弟姉妹には存在しません。遺言書の内容のとおり分割されると言うことです。
遺留分の割合は、原則として法定相続分の1/2です。
遺留分は当然に認められるのではなく、遺留分権利者が権利を行使することで認められます。
その権利を行使できるのは、あなたが亡くなったことを知った日から1年以内です。
いかがでしょうか。
遺言の内容によっては、ご家族が遺留分減殺請求権を行使することになり、ご家族がいやな雰囲気に包まれることもあり得ます。
遺言書作成の内容には、遺留分に対する配慮が必要です。
今後も遺留分についてお伝えしたいと思います。
40代から始める相続対策、ご覧いただきありがとうございました。