こんにちは。行政書士の岩堀です。
40代の方にはまだ早いと思われる相続対策。
でも、決して早くないのです。
それをお伝えしたくてこのブログを始めました。
毎回少しずつ、いろいろな事例を交えて相続対策の選択肢をご紹介いたします。
11.誰が法定相続人になるのでしょうか
相続について考える際に、法定相続人が誰になるのか考えることになります。
その結果により遺産の分配の仕方、最終的には遺言書の書き方が変わってくるからです。
ですので、いまあなたが亡くなったときに誰が法定相続人になるのか知っていただきたいと思います。
「法定相続」とは民法で規定された相続を言い、その法定相続により相続人となるのが法定相続人です。
法定相続人は以下のように決定されます。
①「配偶者」+「子」(配偶者がいない場合は「子」のみが法定相続人になります)
②子がいないときは、「配偶者」+「直系尊属」(配偶者がいない場合は、「直系尊属」のみが法定相続人になります)
なお、直系尊属が複数いる場合は、親等が近い者から法定相続人となります(父母(一親等)が祖父母(二親等)に優先します)。
※尊属とは、自分よりも前の世代、上の世代のことを指します。
③子も直系尊属もいないときは、「配偶者」+「兄弟姉妹」(配偶者がいない場合は「兄弟姉妹」が法定相続人になります)
優先順位 | 法定相続人 | |
第一位 | 配偶者 | 子 |
第二位 | 直系尊属 | |
第三位 | 兄弟姉妹 |
以上が法定相続人の基本的な考え方です。
この他にあなたが亡くなったときに配偶者が妊娠していた場合の扱い(胎児の権利能力)や、あなたより先に亡くなった兄弟姉妹に子供がいる場合の扱い(代襲相続)など、考慮しなければならないケースがありますが、それについては別の機会にご説明します。
法定相続人の相続分(法定相続分)はどうなるのでしょうか
法定相続人にはその相続分が民法で定められています。
① 「配偶者」+「子」が相続人の場合の法定相続分
配偶者:2分の1(子の人数に影響されません)
子:2分の1(子全体の相続分であり、子が複数いる場合は2分の1を均等に分けます)
② 「配偶者」+「直系尊属」が相続人の場合の法定相続分
配偶者:3分の2(直系尊属の人数に影響されません)
直系尊属:3分の1(直系尊属全体の相続分)
③ 「配偶者」+「兄弟姉妹」が相続人の場合の法定相続分
配偶者:4分の3(兄弟姉妹の人数に影響されません)
兄弟姉妹:4分の1(兄弟姉妹全体の相続分)
優先順位 | 法定相続人(相続する割合) | |
第一位 | 配偶者(2分の1) | 子(2分の1) |
第二位 | 配偶者(3分の2) | 直系尊属(3分の1) |
第三位 | 配偶者(4分の3) | 兄弟姉妹(4分の1) |
この法定相続分は割合を定めたものであり、遺産を相続人の間で割合による共有状態にするものなのです。つまり、「誰に何を」まではこの時点では決まっていません。
相続人の間で遺産分割協議を行い、「誰に何を」を決めることになりますが、ここで相続人間での争いが起こるのです。
そうならないように、あなたが遺言書で「誰に何を」を記しておく必要があるのです。
法定相続について、お分かりいただけたでしょうか。
お分かりいただけたとしたら、なぜ遺言書が必要なのか、お気づきになったかもしれませんね。
40代から始める相続対策、ご覧いただきありがとうございました。