こんにちは。行政書士の岩堀です。
40代の方にはまだ早いと思われる相続対策。
でも、決して早くないのです。
それをお伝えしたくてこのブログを始めました。
毎回少しずつ、いろいろな事例を交えて相続対策の選択肢をご紹介いたします。
5.親に遺言書を書いてもらうには
遺言書についてお父様とお話されたことはありますでしょうか。
「遺言」や「死」については日常会話には登場しない話題でしょうから、話すきっかけが難しいと思います。
あなたにはどうにかして遺言書の話題を切り出していただきたいですが、その前にあなた自身が遺言書の必要性を理解していないと、何を話したらいいのか分からないと思いますし、お父様にもあなたの思いが十分に伝わらないかもしれません。
なぜ遺言書が必要なのか。
遺産の分割を遺族に決めさせると、意見の対立が起きて時には紛争となり、あなたの望まない結果を招くことになるからです。
あなたが亡くなったときに、「この財産は妻、この財産は長男に」と具体的に決めておくことで、突然の悲しみに襲われたご家族を混乱から逃れさせることができるのです。
そして、無用な争いを回避できるのです。
このことをご理解いただいたうえでお父様との会話に臨んでいただきたいのです。
ところで、人は他人に指図されると反発したくなるものです。
たとえ相手が長男だとしても、ある日突然遺言を書いてくれと言われたら、どうでしょう。
運よくお父様も書こうと思っていてくれたなら、話は順調に進む可能性があるでしょう。
でも全く考えていなかった、「どうして?」ということになるかもしれません。
そういった人間の性質を考えると、求めるよりも、あなたがやろうとしている姿を見せて、そこに参加してもらう方が軟着陸できるのではないでしょうか。
たとえば、あなた自身が遺言書を書こうとして、それをお父様に相談する、または教えてもらう。
人は驚きを覚えるとやる気スイッチが入る傾向にあるそうです。
あなたが相談して、たとえお父様が遺言書について考えていなかったとしても、「そんなことを考えていたのか」と思ってくれるでしょう。
そして、一緒に考えたり、お父様自身の遺言書についても考えだしてくれる可能性が出てくるのです。
今日お伝えしたかったのは、「なぜ遺言書が必要なのか」と「求めずにあなたが始めよう」ということです。
40代から始める相続対策、次回は遺言書作成の注意点をお伝えします。
ご覧いただきありがとうございました。